資産分散法=ポートフォリオ理論 ‐ さやどりの前に
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- まず、リスクの違う資産にわけて運用するのが投資の基本的な考え方です。
例えば、「片方の資産価値が下がると、もう片方の資産価値があがる」というのは良い状態です。
- 確かにそうですね。
- 日本の場合、資産運用は、預貯金、株、不動産がほとんどです。
しかし、海外の場合は、金(ゴールド)への投資も盛んです。なので、預貯金、株、不動産、金の4つに投資ができていると資産保全ができているといえますね。
ここで覚えておいて頂きたいのですが、
株と金、ドルと金は、逆の動きをします。つまり、株価が下落傾向のときは、金の価格は上昇します。ドルが下がっているときは、反対に金の価格は上昇します。
株式やドルというのは、“紙の資産”です。だから、有事の際(戦争やインフレなど)は、金などの“実物資産”に資金が流れます。
だから逆の動きをするんです。
預貯金、債権、株式は、紙の資産に分類され、不動産、金は実物資産なので、両方もつのが安全とされています。
- なるほどなるほど。
- 例えばここに100万円あったとします。
日本という国が1年後もあれば、この100万円も100万円の価値のままです。これを分散投資する場合、どれくらいの割合で分けたらいいかといいますと、
「何のリスクもないものに70万円」
「リスクのあるもの(リターンを見込めるもの)に30万円」(国債などはのぞきます)
です。これくらいの比率に分けることをひとつの基準として頂きたいです。
- なるほど。
- それで、「この100万円を3つにわけましょう」となった場合、
あ、その前に、今の日本人のポートフォリオは、ほとんどの割合を占めているのが不動産なんです。
理由は「単にマイホームを買ったから」という人が多いからです。そして、ほんの少しだけ、株式や金になっているというケースがほとんです。
で、3つに分けたいんですけど、株式の場合、「キャノンとソニーと松下」なんていうのはNGです。
全部同じようなものじゃないですか。
- そうですね。どれも日本を代表する企業ばかりですもんね。
- 全てを同じようなところには投資することはしません。
ではどうするんか???ということですが、ドルとユーロと円に同じ割合で預金したら、ヘッジにはなります。
利益が出る出ないは脇に一旦置いておいて。
この3通貨がいっせいに値下がりすることはあり得ないので。
- はい。
- 言いたいことはそういうことなんです。
株式とドルと金。これらを各100万円ずつ合計300万円ずつ買います。
1年後には、必ずどれかが増えて、どれかが減ります。
金の価格が上昇し、株式とドルの価格は下がり、金150万円、株式80万円、ドル70万円となったとします。このようにバラツキがでたら、この総資産300万円をまた均等に3分割します。
金100万円、株式100万円、ドル100万円ですね。こういう風に資産の配分を適宜見直していくのがポートフォリオ理論です。※1
- はい。
- ポートフォリオは損をしないためにヘッジをするというのが目的です。
- はい。
- 次にさやどりについて説明していきます。
さやどり(ペアトレード)は異なる通貨の「買い」と「売り」を同時に保有してリスクヘッジに重きを置いたトレード手法です。同じように上昇している2つの通貨も実は上げ幅は微妙に違うので、ズレ(歪み)が生じます。
このさやの収縮(2つの通貨の値段の差のひらきや縮み)を上手くとっていくのがさやどりです。実際にさやどりをした場合のシミュレーションをしてみたいと思います。
例えば
2010年7月6日に1万通貨ずつ、以下のポジションをとった場合。豪ドル円 74.54円買い NZドル円 60.71円売り ※必ず同時にエントリー
下記その後の推移
日付 豪ドル円 NZドル円 差額 2010/7/6 74.54 60.71 13.83 2010/7/7 75.76 61.66 14.10 2010/7/8 77.49 62.67 14.82 2010/7/9 77.77 63 14.77 2010/7/12 77.64 63.08 14.56 2010/7/13 78.41 63.88 14.53 2010/7/14 78.14 63.97 14.17 2010/7/15 77.19 63.73 13.46 2010/7/16 75.35 61.63 13.72 2010/7/19 75.28 61.2 14.08 2010/7/20 77.31 62.68 14.63 2010/7/21 76.45 62.04 14.41 2010/7/22 77.68 62.98 14.70 2010/7/23 78.38 63.53 14.85 2010/7/26 78.39 63.74 14.65 2010/7/27 79.25 64.56 14.69 2010/7/28 78.17 63.78 14.39 2010/7/29 78.15 62.84 15.31 2010/7/30 78.15 62.7 15.45 2010/8/2 79.08 63.4 15.68 2010/8/3 78.36 63.03 15.33 7月6日にエントリーをし、7月23日で決済したとします。
この場合の利益は以下のように計算します。豪ドル円:(78.38円-74.54円)×1万通貨=38,400円…これだけ利益が出ています。
NZドル円:(60.71円-63.53円)×1万通貨=-28,200円…これだけ損が出ています。38,400円 – 28,200円 = 10,200円…これが最終的な利益です。
さやどりは、買いと売りポジションを同時に持つことで、リスクを下げることができますが、その分リターンも少ないです。
いわゆるローリスクローリターンですね。
- 少ないと言われても正直いってピンとこないですね。
- なるほど。
では、豪ドル円だけのトレードで利益はでていますよね。
「これだけやればいいじゃん」と考える人も多いです。
- なるほど。
でも僕はそうも思わなくて。
まず、利益が出ている時点で素晴らしいと思います。大事なのは、どれくらいトレードや分析に時間を割いたかと思います。
全体の費用対効果がどれくらいなのか?というのが大事だと思いました。今回、7月6日~7月23日の17日間で、10,200円の利益を出すことができました。
この17日間のうちかなりの時間をPCの前に張り付いていたならば10,200円はあまりいい利益ではないと思います。
もちろん、そのときの自分のレベルによって必要な時間は変わってきますし、かりに効率が悪いとしても、未来の自分のための自己投資として考えることもできます。
もし、結構な期間勉強したにもかかわらず、ちょっとしか利益が出せない、つまり費用対効果が極端に悪いのならば、本業の仕事などでもっと稼ぐ事を考えたほうがいいのではないか?と思ってしまいます。
ただ、ローリスクでありながら、しっかりと利益を出すというさやどりは素晴らしいと思います。
- このさやどりの説明を色々な方にすると、決まってこんな風に言われます。
「豪ドル円だけやっていれば利益が大きくなるのに、なんでNZドル円も取引しないといけないんですか???もったいないじゃないですか!!」
- なるほど。
そういう方はいらっしゃるでしょうね。
- そういう人にはさやどりはオススメしないんですけどね~
- ちなみに豪ドル円を売り、NZドル円を買いという反対のやり方でもOKなんですよね?
- OKですよ。
しかし、この場合、注意して頂きたいのはスワップポイントがマイナスになるんです。
- あ~そうですね。
オーストラリアの金利は4.5%でニュージランドは3.0%ですもんね。
- さやどりは1~2年も長期で保有するわけではないので、そこまで気にする必要はないです。しかし、スワップポイントの支払いについても頭の中に入れておいてください。
今、説明したのは「差額で儲ける」ということです。
「スワップポイントだけで利益をだしていきたい」という人も中にはいます。
そういう人は、「豪ドル円を買い、NZドル円を売り」というポジションを2~3年とり、スワップポイントを貯めていきます。
- そういう人はさやのことはあんまり考えないんですか?
- そうですね。
長期で片張りの場合、何が起こるかわかりません。
なので、こういう感じでリスクヘッジをして、2~3年おいておくというやり方もあります。
- その間もやはり値動きとかはチェックするんですよね?
- もちろんそうです。
金融危機などもありますし、スワップポイント狙いで売買を頻繁にしないとしても、相場状況、特に通貨の金利差はしっかりとチェックします。
- なるほど。
- 単独でレバレッジをかけてリスクをとった取引よりも、
さやどりは利益は少し落ちたとしても、長い目で見ると失敗は少ないです。なので、安定的に資産を増やしていくことができます。
- 実際にポートフォリオを組む場合は、300万円が、303万円、305万円とちょっとずつ増えながら再分配していきます。 [↩]
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